道の駅とよとみ


 このほど開かれた「直売所甲子園2009」でグランドチャンピオン賞を受賞。全国の道の駅の頂点に立ちました。地元農家の新鮮で多彩な朝採り野菜や消費者との交流が、県内外から訪れる人たちの熱い支持を得た結果で、生産農家はより良い農産物づくりに意欲的に取り組んでいます。
住所:中央市浅利1010-1



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【道の駅とよとみ情報】
2009年10月25日(日)

「直売所甲子園」で頂点 消費者視点 農家を改革

20091025_001_4 全国各地の農産物直売所が日本一を競う「直売所甲子園」で初代チャンピオンに選ばれた中央市の道の駅とよとみ農産物直売所。開業当初、旧豊富村の農家はJAへの出荷が主流で、直売所は出来の悪い作物が目立った。農家に消費者視点という意識を根付かせ、営農指導の強化で品質向上を図った結果、売り上げは飛躍的に伸び、農家の収入も拡大。これまで地域の基幹産業だった養蚕からの転換に成功し、耕作放棄地の解消にもつながった。“小さな村の直売所”が全国トップに輝いた背景に迫った。〈雨宮 悠希〉

 「1200世帯から出た汚泥と生ごみを肥料にして野菜を栽培する循環型農業を推進しています」。13日、都内で開かれた直売所甲子園決勝大会。道の駅とよとみの飯室隆人駅長(49)がプレゼンテーションを終えると、会場は拍手に包まれた。
 「消費者との交流、地域への貢献。何よりも循環型農業が決め手」(審査員)となり、全国1万3千の直売所の頂点に立った。
 全国各地で拡大する農作物直売所。「地元産、朝採りは当たり前。ほかの直売所がやっていないことを」。道の駅を運営するシルクの里振興公社の歴代局長は、この思いを引き継いだ。
 収穫祭での消費者との交流、少人数家族向けの一回り小さい野菜や品薄になる冬場の野菜作り…。常に消費者の視点に立った取り組みに挑戦。地域から排出される生ごみを堆肥化して利用する取り組みも始め、環境保全型の農業という特色づくりにも努めた。

 

養蚕から転換
 旧豊富村はシルクの里として知られたが、生糸の輸入自由化で繭の価格が暴落、養蚕が中心だった地域の農業は壊滅的な打撃を受けた。養蚕からの転換を目指した旧村は、当時あまり知られていなかったスイートコーンに着目し、高収入が見込める桃の栽培も促進。課題となる販路確保のために建設したのが、国道沿いの道の駅だった。
 しかし、当時、村議会は何度となく建設に反対。JAからは運営を断られるなど、歩みは順風満帆と言えなかった。農家も農作物はJAを通して出荷するのが主流で、消費者に直接販売するという意識は今ほど浸透していなかった。
 「出来が良い物はJAに。悪い物ばかり道の駅に集まっていた」。昨年まで販売責任者を務めていた五味昭信さん(78)はこう明かす。「消費者の立場に立って、買いたいと思えるような品物を出さなければ」と、すべての野菜や果物をチェックし、品質の悪い物を出荷した農家を指導。時には意見の違いから衝突もあったが、野菜を搬入している豊富農産物等搬入運営委員会の☆(功の力が刀)刀一春会長(72)は「買い物客の苦情に頭を下げる五味さんの姿に、農家の意識は少しずつ変わっていった」と振り返る。
 品質が向上した直売所は業績を伸ばしていく。1億円に満たなかった販売額は08年度には2億円超に増加。売り上げ増に伴い、当初38人だった出荷者は187人に増えた。一時100ヘクタールあった耕作放棄地は50ヘクタールに半減した。

 

売り場改善へ
 一方で、課題も残されている。東京農工大生が評価した1次審査では「顔写真など生産者のことが分かる情報が少ない」「栽培履歴が分からない」「スタッフに商品知識がない」などと指摘された。☆(功の力が刀)刀会長も「まだまだ意識改革が必要」と認める。
 道の駅とよとみは現在、売り場の改善に着手。接客に消極的なスタッフのスキルアップの一環として、旬の野菜や料理のレシピを紹介するブログも計画している。「商品について勉強するようになれば、売り場でも顧客にPRできるようになるはず」と飯室駅長。道の駅とよとみの挑戦は続いている。

 

【ズーム】直売所甲子園:全国的に増加している農産物直売所を客観的に評価するとともに、競争を促すことで活性化を図るのが目的。今年初めて開かれた大会には全国から103(県内からは6)の直売所が出場。農業系大学の学生が店舗やサービスなどを数値化する1次審査、大学教授など女性審査員4人が聞き取り調査する2次審査を通過した上位10の直売所が決勝大会に進出。取り組み内容をプレゼンテーションした。

 

(写真)買い物客でにぎわう道の駅とよとみ農産物直売所=中央市浅利

【山梨日日新聞社 10月25日掲載】


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