芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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2012年6 月

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プロフィール


 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。


【山岳館便り】
2012年06月01日(金)

安全登山のすすめ ~気象の話~

【写真】白根御池 ついこのあいだまで桜の花に奪われていた心も、今ではすっかり若葉の緑に移っています。日によっては半袖シャツで過ごせるようなときもあり「こんな日に山に行ったら気持ちがいいだろうなぁ」と思う方も多いのではないでしょうか。この南アルプス芦安山岳館にもゴールデンウイーク前から、登山に関する問い合わせが増えています。多くの方に山へ登って、その素晴らしさを知っていただきたいと思うと同時に、すべての方が無事に下山されますように…との思いも強まります。

 山では、標高が100m上がるごとに気温が約0.5度~1度低下し、1000m上がると6度下がります。つまり標高0mで20度の時には3000mでは2度ということになります。また、風が吹くと体感温度はさらに下がります。

 「そんな高い山には行かないから」という方も、天候の変化には要注意です。平地では快晴でも山は雨、ということはよくあります。それは、山という地形上の特性に関係があります。平地では普通の風でも山肌を吹き渡る風は上昇気流となり、山そのものが低気圧となるのです。また、標高が上がればそれだけ気温も下がりますから雲が発生しやすい条件が整ってしまうわけです。

【写真】白根御池小屋 無事に下山できてこその楽しい登山です。しっかりとしたレインウエア、防寒のための予備のウエアなど、事前の準備をしっかり整えて登山口に立ってくださいね。山の天気は変わりやすい。平地は初夏でも山は冬。山へ登るすべての皆さんが、山上での大きな感動を得られること、そして何よりも無事に下山されることを願っています。

(写真は北岳 白根御池小屋5月20日撮影 標高2230m)


【山岳関連ニュース】
2012年05月31日(木)

富士山の廃屋に保存を求める声

 富士吉田市は、富士山吉田口登山道の5合目までに残る茶屋や山小屋など廃屋の一部を、撤去することを決めた。富士山の世界文化遺産登録に向けた海外の専門家の現地調査で悪い印象を与える懸念や、倒壊の恐れがあることが理由。だが、廃屋には「富士登山の歴史を映す貴重な史跡」との声もあり、復元や保全を求める声も根強い。廃屋の所有者には、先祖代々受け継いだ建物を手放すのに抵抗感もある。撤去する場合、登山道は重機が入れない場所が多く、費用もかさむとみられ、撤去がスムーズに進むかは見通せない。

20120531_023■市長の明言
 「即時撤去したい」。堀内茂市長は23日に登山道の現状を視察。この際、4合目の茶屋「たばこ屋」と3合目の茶屋「はちみつ屋」の2カ所の廃屋は「倒壊の危険がある」(堀内市長)とし、7月1日の山開き前に撤去する方針を明言。ほかの5カ所も順次撤去する意向を示した。
 その1カ月余り前。堀内市長は4月の記者会見で、廃屋に関し「撤去するのか、復元するのか、考えたい」と述べ、検討する意向を示したばかり。1カ月余りで「撤去」へかじを切った背景には、今夏に富士山の世界文化遺産登録で国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査が、予定されていることがある。
 廃屋の存在は、海外の専門家に景観が悪いとの印象を与える可能性が拭えず、「現実的な選択肢は撤去しかなかった」(市幹部)。だが、復元を求める声があり、所有者との交渉も必要なため、市幹部の一人は「市からは切り出しにくい側面があった」と明かす。
■歴史的価値
 富士吉田歴史民俗博物館によると、茶屋や山小屋などの廃屋は、江戸時代に建てられた建物が大半。当時の吉田口登山道は麓から登るルートしかなく、登山者は5合目の手前に位置する山小屋や茶屋で休憩していたという。
 早朝に北口本宮冨士浅間神社などを出発した登山者は昼ごろに3、4合目付近に到着。茶屋は、うどんや赤飯などを提供し、登山者をもてなしていた。4合目の「たばこ屋」など、宿泊客を受け入れていた施設もあるという。
 だが、1964年の富士山有料道路(富士スバルライン)開通後は車で5合目まで行けるようになり、麓からの登山者が激減。数年でほとんどが廃業した。
 廃屋はいずれも朽ちて傷みが激しいが、「歴史的価値が高い」との声は根強い。市の歴史文化愛好者らでつくる「富士山文化の会」の早川宏代表は「廃屋は信仰登山の歴史の名残だ」と指摘。「できれば復元してほしい。撤去するなら再現可能な図面を残せるよう、詳しい調査をしてほしい」と求めている。
■今後の行方
 登山道周辺の林は、明治天皇から県に下賜されて以降、富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合(吉田恩組)が管理。廃屋の所有者は吉田恩組に利用料を納め、入会権の「分割利用権」として建物を使う権利を得ているという。
 市が廃屋を撤去した場合、分割利用権を残すかどうかは未定。所有者の一人は「世界文化遺産登録のため協力したい気持ちもある」としながらも、「建物を撤去しなかったのは権利を主張し、維持するため。再び営業するのは難しいが、先祖から受け継いできた権利は失いたくない」と話した。

(写真)富士山吉田口登山道の廃屋を視察する堀内茂市長(左)=富士山4合目付近(23日)

【山梨日日新聞社 5月31日掲載】


【山岳館便り】
2012年05月30日(水)

南アルプスをエコパークに

 山梨、長野、静岡3県の10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会(会長・田辺信宏静岡市長)は、国際教育科学文化機関(ユネスコ)が自然保護地区などを認定するエコパーク(生物圏保存地域)について、来年2月をめどに南アルプスの登録を申請する方針を決めた。南アルプスの世界自然遺産登録を目指す中で、「エコパーク指定を実現し、地元の機運を高めたい」(関係者)という。

 山梨側の協議会事務局を務める南アルプス市みどり自然課によると、ユネスコ・エコパークは、(1)自然資源を厳重に保護していく区域(2)教育活動や観光に活用できる区域(3)経済活動の拠点となる居住区域-を設定。規制などで自然を厳重に保全する世界自然遺産と異なり、自然の保全と持続的利用の両立を目指す制度。
 ユネスコは昨年7月現在、エコパークに114カ国580地域を登録、国内では屋久島(鹿児島)や志賀高原(長野)など4地域が指定を受けている。また、宮崎県綾町の「綾の照葉樹林プロジェクト」が登録申請中という。
 南アルプスのエコパーク登録申請に向けては、南アルプス市の場合、国立公園内を厳重に保全しながら、県立自然公園である櫛形山周辺を教育活動などに活用。市内の果樹地帯などは経済活動の拠点エリアとして位置付けることが想定されている。
 27日には、静岡市で協議会の総会を開き、2月を目標にユネスコに登録申請することを確認。同協議会のユネスコエコパーク推進部会長を務める中込博文南アルプス市長は「エコパーク指定に向けて取り組みを進め、世界自然遺産登録を目指す上での重要なステップにしたい」と話している。

【山梨日日新聞社 5月30日掲載】


【山岳関連ニュース】
2012年05月30日(水)

八ヶ岳南麓の四季を写真で紹介

20120530_022 北杜市高根町清里の県立八ケ岳自然ふれあいセンターは6月4日まで、同市長坂町小荒間のアマチュアカメラマン・宮西憲司さんの写真展「八ケ岳山麓の四季」を開いている=写真。
 八ケ岳南麓の四季折々の景色を撮影した作品44点を展示。平沢峠や東沢渓谷をはじめ、そば畑やミツバツツジなどの写真もある。
 香川県高松市出身の宮西さんは、「もっときれいな風景を撮りたい」と、北杜市に別荘を購入。両市を行き来しながら、八ケ岳を撮影している。

【山梨日日新聞社 5月30日掲載】


【山岳関連ニュース】
2012年05月26日(土)

乙女高原でスミレを探して

20120526_021-3 乙女高原の自然保護活動に取り組む乙女高原ファンクラブ(植原彰代表世話人)は、高原で確認されている18種類のスミレを紹介したガイドマップを作った。
 スミレは春の花だが、標高約1700メートルに位置する乙女高原では、5月のゴールデンウイーク後半ごろから咲き始める。いまの時季は、エイザンスミレやアケボノスミレ、6月には「スミレの女王」と呼ばれるサクラスミレも観察できる。
 冊子名は「乙女高原のスミレ・ウォッチング」。会員5人が「乙女高原周辺の豊かな自然をスミレなどの草花を通じて、関心を持ってもらいたい」(植原代表世話人)と2、3年かけて、作った。高原周辺で確認されているスミレの自生エリアやスミレの写真や絵などを交え、紹介している。
 今月27日、6月10日にはスミレ観察会を開く予定で、冊子は参加者に無料で配る。執筆・編集に中心となって携わったファンクラブ会員の依田昇さん(70)=神奈川県小田原市=は「わたしたちがまだ、発見していないスミレがあると思うので、ガイドを片手に見つけてもらいたい。スミレを通して、乙女高原のすばらしさを感じてほしい」と話している。

(写真)「乙女高原のスミレ・ウォッチング」に目を通す執筆者の依田昇さん=山梨市・乙女高原

【山梨日日新聞社 5月26日掲載】


【山岳関連ニュース】
2012年05月25日(金)

富士山の噴火に備え山梨、静岡、神奈川が連携

 富士山の噴火に備え、山梨、静岡、神奈川の3県が立ち上げる富士山火山防災協議会(仮称)が、6月にも発足することが24日、分かった。3県の市町村や国の機関などが参加し、噴火時の広域的な避難計画を検討する。
 山梨県防災危機管理課によると、富士北麓の県内7市町村を含め50以上の関係機関が参加する見通し。噴火時の住民の避難先や経路、手段などを話し合い、県境を越えた避難の受け入れ体制も協議する。また、噴火に関する情報の共有化を図るとともに、効果的な対策を検討する場にする。
 3県は2009年10月に富士山噴火に関する防災協定を結び、合同防災訓練の実施を盛り込んでいた。協議会は具体的な避難計画を検討し、14年度までに噴火を想定した訓練の実施を目指す。
 山梨県防災危機管理課は「富士山が噴火した場合の被害は広範囲に及ぶことが想定される。互いに連携しながら協議を進めたい」としている。

【山梨日日新聞社 5月25日掲載】


【山岳関連ニュース】
2012年05月24日(木)

富士山の7ヵ所の廃屋を撤去へ

20120524_022 富士吉田市の堀内茂市長は23日、富士山吉田口登山道に残されている茶屋や山小屋など7カ所の廃屋を撤去する意向を明らかにした。うち2カ所は「倒壊する危険がある」として、7月1日の富士山山開き前までに解体、撤去する方向で関係者と話し合う方針。
 同登山道の廃屋をめぐっては、富士山の世界文化遺産登録で今夏にも予定されている国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。堀内市長は同日、廃屋の現状を視察した。
 視察を終えた堀内市長は、柱が朽ちるなど傷みが激しい4合目と3合目の2カ所について「登山者の安全から早期に撤去する必要がある」と、夏山シーズン前に撤去する考えを表明。このほか朽ちて原形をとどめていない5カ所については「景観上好ましくない」とし、イコモスの調査前に撤去できるよう所有者らと協議する意向を示した。堀内市長は、取材に「イコモスの調査で指摘を受けないためにも早急に対応したい」と話した。
 同登山道の廃屋について、歴史研究家からは「富士登山の歴史を伝える史跡としての価値がある」との声もあり、市は撤去するか、復元するか検討を進めていた。

(写真)吉田口登山道で廃屋を視察する堀内茂富士吉田市長(中央)ら=富士山4合目

【山梨日日新聞社 5月24日掲載】