福島県出身の登山家田部井淳子さんが代表を務めるNPO法人「日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト」(HAT-J、東京)は30日、甲州市の塩ノ山(552メートル)で、東日本大震災の被災者を招いてハイキングを行う。東京近郊で避難生活を強いられている45人を田部井さんが案内。「被災者にハイキングで気分転換してもらいたい」(田部井さん)と話している。
HAT-Jは、避難生活を余儀なくされている被災者に自然を散策することで元気を出してもらおうと、昨年6月にハイキングの企画をスタートさせた。
これまでに、裏磐梯(福島県)や天覧山(埼玉県)などを7回散策していて、山梨での開催は初めてとなる。田部井さんの提案で、富士山や南アルプスが眺望でき、登りやすい塩ノ山を登ることにした。
30日は福島県双葉町などから東京、埼玉に避難している50~70代の夫婦ら45人を招待。避難所となっている東京都江東区東雲住宅や高校から、バスで塩ノ山登山口に向かう。田部井さんの案内で1時間程度のコースを歩いた後は、山梨市内の温泉で疲れを癒やし、ほうとうなど山梨の郷土料理も振る舞う。
初回は5人だったハイキング参加者は、回を重ねるごとに増えている。「避難先では土地に慣れず、外に出て運動もできなかった」「ハイキングって、こんなに楽しいんだ」。参加者からはこんな声が聞かれるという。
出身地である福島県の被災者をサポートし続ける田部井さん。「ハイキングを終えた後、参加者がすがすがしい表情になっているのがうれしい。前向きな気持ちになるきっかけにしてもらいたい」と話している。
【山梨日日新聞社 1月22日掲載】